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5日のセミに出場した元IBF世界S・フェザー級王者の尾川堅一(帝拳)はフィリピン7位のアラン・アラベルカ(比)に4回1分4秒KO勝ち。13ヵ月ぶりの試合で健在を示した。
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今回の試合を「現役生活の分岐点」と位置付けていた36歳の尾川。開始早々、素早く打ち込んだ右ストレートでダウンを奪うと、その後も左ジャブを盛んに繰り出して、弛んだところのない試合を展開した。
のっけからダウンしたアラベルカは決定打から逃れつつ時折ジャブを差し合うシーンもあり、尾川も踏み込むチャンスを探りながら鋭いパンチでけん制。試合は静かに3回を終えようとしていたが、尾川がここでフェイントをかけ潜り込むようにして左ボディーを決めると、アルベルカが顔をしかめて2度目のダウンを喫する。
ラウンド終了のゴングに救われたアラベルカは4回もコーナーから出てきたが、尾川はそれ以上試合を長引かせなかった。左ジャブを入れて、今度は右ボディーにつなげた。みたび崩れ落ちたアラベルカがカウントアウトされた。
試合後の尾川は「最年長世界チャンピオンを目指して頑張ります。できると思うので」と宣言した。29勝20KO2敗1分。
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またライト級のチャンピオンカーニバル挑戦者決定戦は同級2位の村上雄大(角海老宝石)が同級1位の浦川大将(帝拳)に8回2-1判定勝ちし、王座挑戦権を手に入れた。
サウスポーの村上に対し、開始から前へと出ていく浦川。直線的な浦川を村上は左ストレートで狙い打ちし、まずは優勢にスタートした。
浦川の右リードは強く、3回からボディーも攻め始め、これが脚を使わない村上をとらえるとペースが浦川に傾く。しかし村上も回転力を駆使して3発4発とまとめて応戦し、試合はクロスファイトの様相に。
村上は浦川の右ストレート、左フックをクリーンヒットされることもしばしばあったが、後続打を許さず攻め返す。最後まで互いに正面からぶつかった結果は、77-75、77-75、75-77とスコアも拮抗していた。
勝った村上は6勝2敗。浦川は10勝7KO3敗。日本ライト級は王者三代大訓(横浜光)が12月7日に丸田陽七太(森岡)の挑戦を受ける。
◆ミドル級6回戦
赤井英五郎(帝拳)[TKO6回2分14秒]ジャン ウェンハオ(中国)
◆S・ライト級4回戦
栗原宗太郎(E&Jカシアス)[TKO3回2分51秒]大橋侑太(Boy’s水戸)