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WBOアジアパシフィックS・バンタム級王座決定戦は5日夜、後楽園ホールで行われ、同級1位の村田昴(帝拳)が同級2位の山崎海斗(六島)に9回2分46秒TKO勝ちし、プロ8戦全KOで初のタイトルを獲得した。
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試合はダウン応酬、スリリングな激闘となった。好調な滑り出しを見せたのは山崎で、サウスポー村田にタイミングのいい右を当てていく。村田は左右へステップを切って的を散らすが、その動きをけん制するようなスムーズな右ブロー。
左ガードで防ぐ村田は3回、山崎が前に来たところに右フックを引っかけ、ダウンを奪った。山崎にダメージは見られないが、村田は右フックを餌にして左ストレートを繰り出すなど、徐々に試合の主導権を手繰り寄せていく。しかし山崎の右強打も生きており、目の離せない展開が続く。
7回の村田は左を連発して山崎を後退させると、攻撃のギアを上げて決めに出る。ところがここで山崎の右フックがカウンターとなってさく裂。村田がばったりと倒れた。ピンチに立った村田はクリンチで山崎の追撃から逃れ、ラウンド終了間際に右ショートフックをお返し。
8回、村田は再びていねいなボクシングから左ストレート。山崎をけん制すると続く9回、チャンスとみるや再び攻め込んでいく。防戦しながら7回の再現とばかりにカウンターを狙う山崎。しかし村田の攻撃は途切れない。左ストレート、右フックで我慢しきれず山崎がダウンした。
山崎は立ち上がったものの、ダメージをチェックした飯田主審は試合をストップ。村田のTKO勝ちとなった。
「勝った理由はスタミナ」とは試合後の村田。「(最初の)ダウンを奪った時は雑に攻めすぎました。ディフェンスが甘いぶん、畳みかけはもっとゆっくりしないと」と反省をしていた。奮闘でわかせた山崎は9勝5KO1敗。