WBO世界S・フライ級チャンピオンの井上尚弥(大橋)が31日、横浜市内のジムで記者会見を開き、前夜の試合とバンタム級転向への思いを語った。
井上は30日の横浜文化体育館で、挑戦者6位ヨアン・ボワイヨ(仏)をまったく寄せ付けずに3回TKO勝ち。軽々と7度目の防衛に成功したものの、試合直後に笑顔は見せなかった。しかし、この日は「映像を見返して思ったよりも悪くなかった」とまずますといった表情だ。
初回にダウンを奪った左フックは「打ち終わりを狙って自然に出た」。2ラウンドが始まるにあたり「ちょっといろいろ試したいという気持ちの余裕が出た」というところで、父の井上真吾トレーナーから「立て直せ」と言われ、これでわずかなスキもなくなった。3回に強烈なボディで2度目のダウンを奪い、フィニッシュにつなげた姿はあまりに圧倒的だった。
会見に同席した大橋秀行会長は「2017年はアメリカでも試合ができた。できれば昨日、統一戦をセットしたかったけど、それが心残り」と井上の17年を総括。それでも18年に向けて「バンタム級で3階級制覇、そして統一戦を考えていきたい」とプロモーターとしての意気込みを語った。
井上は「来年はバンタム級で再スタート。そこから統一戦だったり、見てくれる人たちがゾクゾクするような試合をしていきたい」とあらためて決意表明。「技術は変わらず、身体はしっかり作っていきたい」とさらなる飛躍を誓った。