IBF世界振フライ級タイトルマッチが31日、マカオのウィンパレスで行われ、挑戦者14位の坂本真宏(六島)が王者モルティ・ムザラネ(アフリカ)に10回終了TKO。世界初挑戦に失敗した。ムザラネは初防衛に成功。
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坂本は右目が大きく腫れて無念のTKO負け
大阪市立大学院生という異色の肩書きを持つ坂本はWBOアジアパシフィック王座獲得をステップに27歳にして世界初挑戦。王者のムザラネはIBFフライ級王座の2度目の王朝で、36歳にしてプロ38戦のベテランだ。
体格で勝る坂本はしっかりガードを固め、ワンツー、ボディというシンプルなコンビネーションでムザラネに迫った。手数はよく出ていて動きは悪くない。しかし初回終盤、ムザラネのストレートが決まった。
2回以降も両者は脚を使わず、中間距離で盛んにパンチを交換した。坂本はコツコツと左ボディを当てて試合を作った。ムラザネは手数が旺盛で、内側からタイミングのいいジャブ、外からは右を打ち込んで坂本を攻めた。
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ムザラネは36歳にして手数が豊富だった
坂本は気迫十分だったが、徐々にムザラネのコンビネーションについていけず、パンチをもらう量が増えていった。中盤に入るとムザラネは上下、内外とパンチを打ち分ける余裕が生まれ、手数も相変わらず多く、坂本を引き離していった。
終盤も坂本がムザラネのパンチを食らいながら、前に出て抵抗するという展開。しかし、右目が大きく腫れ、11回が始まる前にドクターチェックが入り、主審がTKOを宣告した。10回までのスコアは100-90、99-91、98-92で王者がリードしていた。
初防衛成功のムザラネは37勝25KO2敗。坂本は13勝9KO2敗。「応援してもらったたくさんの人たちに申し訳ない。悔しい気持ちでいっぱいです。(ムラザネは)パンチがあるとは思わなかったけど、右よりもジャブが強くて意外でした。アッパーが入る場面もあったし、ボディも入るには入ったけど、そこから自分の有利な方向にもっていけず、崩しきれなかった」Photo/SUMIO YAMADA