2019年国内最初の興行となる「DANGAN220」が12日、後楽園ホールで開催される。メインは日本S・バンタム級王座決定戦、セミで日本ミニマム級タイトルマッチが行われる。セミの前には元WBA世界S・フライ級王者、河野公平(ワタナベ)の引退式が行われる。
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中川は手に麦茶、田村は新発売のIPPOバンデージ
日本S・バンタム級王座決定戦に出場するのは1位の中川麦茶(角海老宝石=55.3キロ)と、2位の田村亮一(JBS=55.2ロ)。中川は初の日本タイトル戦、田村は17年の久我勇作(ワタナベ)戦に続き2度目のタイトルアタックとなる。
小学校1年生の息子を男手一つで育てる中川は子連れで練習に励み、12月にフィリピンで行った10日間のスパー合宿にも「置いていけない」と息子を連れて行った。中川は「母親がいなくて寂しい思いをさせていると思うけど、勝って息子をリングに上げたい」と勝利を誓った。
一方の田村は中川を想定して背の高い選手とスパーリングを重ねた上で、「ジャブを打ってガードして、ワンツー、ワンツーフック、基本をやっていく」とシンプルに自分のボクシングを貫く考えだ。
ボクシング漫画『はじめの一歩』の作者でもある森川ジョージ会長に、年賀メールを送ったところ「まだ明けていない。おめでとうでもない!」とハッパをかけられた田村。すっきり勝利して“新年”を迎えるつもりだ。
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サウスポー王者の小野(左)は田中とV2戦
セミの日本ミニマム級タイトルマッチは、王者の小野心(ワタナベ=47.6キロ)が2度目の防衛戦で挑戦者1位の田中教仁(三迫)を迎える。
36歳のベテラン小野はこれまでに2度の世界挑戦経験があり、現在もWBO5位を筆頭に4団体で世界ランク入り。「世界を狙える位置にいるので、ここで終わりたくない」。しっかり勝って3度目に近づく意気込みだ。
33歳の田中は2月が誕生日で「あと少し待ってくれたら、2人足して70歳になった」と報道陣を笑わせる余裕。「年明け一発目のタイトルなので、ジムとしても勝ちたいと思う。全力でかかっていきます」と決意表明した。