日本S・バンタム級王座決定戦が12日、後楽園ホールのメインイベントで行われ、同級2位の田村亮一(JBS)が同1位の中川麦茶(角海老宝石)に3-0判定勝ち。新チャンピオンに輝いた。スコアは97-93、99-91×2。決定戦は前王者、和氣慎吾(FLARE山上)の王座返上によるもの。
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田村(右)は荒っぽいだけでなく、うまさも発揮した
田村は身体を振りながらグイグイと圧力をかけてパンチを上下に散らし、中川はジャブ、左右のアッパー、左ボディでこれを止めようとした。田村は荒っぽいパンチだけでなく、ジャブと上下の打ち分け効果的だ。
中川は田村に決定打を許さなかったが、常に攻め続ける田村がジャッジの支持を得る。5回を終わっての採点は、48-47、49-46、50-45で田村がリードした。
リードを許した中川は6回、攻撃姿勢を強めて田村に迫った。中川の右がヒットするシーンもあったが、“ゾンビ”の異名もあるタフな田村は動じず、前半と変わらぬペースで手を出していく。
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左から山田トレーナー、田村、森川会長
終盤も中川は勝利への執念を見せたが、むしろリードを広げたのは田村のほうか。足も使いながらワンツーを次々と打ち込み、中川の反撃を許さなかった。
田村は17年7月、久我勇作(ワタナベ)に敗れて以来のタイトルマッチで、2度目のチャレンジを成功させた。戦績は12勝6KO3敗1分。中川は24勝14KO6敗1分。
JBスポーツジムでは福島学以来、19年ぶりの日本チャンピオン誕生。移籍して1年あまりでタイトルを獲得した田村は「このジムでチャンピオンになれてよかった」。