IBF・S・ライト級挑戦者決定戦が18日、後楽園ホール「A-SIGN.BEE18」のメインイベントで行われ、同級4位の近藤明広(一力)が同6位アビヌン・コーンソーン(タイ=リングネーム=ダオヌア・ルアワイキン)に5回1分47秒KO負け。指名挑戦権獲得はならなかった。
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コーンソーンは会心の一撃を決めてガッツポーズ
長身のコーンソーンがジャブ、ワンツーから返しの左フックを思い切り打ち込み、近藤に迫る立ち上がり。パンチの迫力はなかなかだ。近藤はこれをブロックしながら打ち終わりにパンチを合わせる。初回は若さのコーンソーン(22歳)、経験の近藤(33歳)という印象を見ている者に与えた。
近藤は2回からジャブの精度を上げた。コーンソーンは防御に甘さがあるものの、右ストレート、左フックはパワフルで、右アッパーも決めるなど気が抜けない。近藤は3回、有効なパンチで鼻の頭を負傷した。
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近藤は力強いジャブでペースを握るかに見えたが…
近藤がジャブから徐々に右をつなげようとしていた5回、フィニッシュは突然訪れた。近藤が距離を詰めた瞬間、コーンソーンの右アッパーが火を噴くと、近藤が身体を棒のように硬直させてバッタリとダウン。辛うじて立ち上がったものの、フラフラで10カウントとなった。
近藤は17年11月、セルゲイ・リピネッツ(ロシア)との王座決定戦に敗退。2度目の世界挑戦を狙っていたものの後退した。31勝18KO8敗1分。
近藤の話「ダウンは初めて。気が付いたら倒れてました。(ジャブが当たって)そろそろと(攻めに出ようと)思っていた。1、2ラウンドで右の打ち終わりに、アッパーを狙っているのはわかった。深く入ってはいけないというのはあったけど、ジャブから右につなげたかった。ちょっと差しにいきすぎました。
タイで試合をする話もあって、会長に日本で組んでもらったもらったのに申し訳ない。今後? 年齢も年齢なんで真剣に考えないといけないと思う」
コーンソーンは15勝12KO。2回にヒットした右アッパーを5回まで温存したか。会心の勝利を挙げた新鋭は「最初は長いのを打って、近藤が入ってくるタイミングをずっと待っていた」。今後はディフェンスと接近戦を強化して世界を目指すという。
◇S・フライ級6回戦
蒲山直輝(小熊)[引き分け1-1(58-57、56-58、57-57)]頼政和法(レパード玉熊)