OPBF、WBOアジアパシフイック・ミドル級タイトルマッチ12回戦は24日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第二競技場で行われ、挑戦者の元OPBF、日本S・ウエルター級王者、野中悠樹(41=井岡弘樹)がチャンピオンの細川チャーリー忍(34=金子)が3-0の判定で2冠の王座に就いた。

野中(右)はベテランらしくパンチが多彩だった
国内男子最年長現役ボクサーの野中は2006年にOPBF・L・ヘビー級王座を40歳で獲得した西沢ヨシノリ(ヨネクラ)を抜いて、41歳での最年長王者になった。細川は野中のフットワークについいていけず、初防衛に失敗した。
セミのS・フライ級8回戦は、那須亮祐(グリーンツダ)が日本同級16位、寺田達弥(ロマンサジャパン)に2-1判定勝ちした。

初回にダウンを奪った野中。これが最後には効いた
◇OPBF&WBOアジアパシフイック・ミドル級タイトルマッチ12回戦
野中悠樹(井岡弘樹)[3-0(114-112×2、115-111)]細川チャーリー忍(金子)
予想通り開始から細川がジャブを突いて距離を詰め、左右パンチで野中にプレッシャーをかけた。後退する野中だったが、終了寸前に左ストレートを打ち抜き、ダウンを奪った。プロ初のダウンを喫した細川は、立ち上がった後、野中のラッシュを受けたがゴングに救われた。
ダメージはそれほどではなく、細川は2回からは両手のグローブで顔面を固めて、右フックを振ってきた。野中はフックのタイミングを見切ったように右へ大きくサークリング、パンチを空振りさせて、右フックをヒットした。
チャーリーはしつように野中を追いかけ、左フックをヒットして挽回を図った。5回にバッティングで野中の左まぶたがカット、6回は細川のボディブローがヒットした。6回を終えた公開採点は57-56×2、58-55で野中がリードした。
7回からも野中のフットワークは衰えをみせなかった。細川の打ち終わりを狙って左ストレートを打ち込みポイントを重ねた。しかし、8、9回は細川のボディパンチを受けた。これはローブローと判定されて野中に30秒間の休憩時間が与えられたが、動きが止まりかけた野中は10回には故意にマウスピースを吐き出して1点減点された。
苦しい野中だったが、11、12回と足を使って、細川のパンチを外し、要所でパンチをヒット。12回は細川が右目下をから出血した。
先制ダウンで勢いをつかんだ野中がベテランらしい巧みな試合運びで細川の強打を不発に終わらせ、3-0で判定勝ちした。

「伝説が作れた。世界戦がやりたい」と野中
41歳で再びタイトルをつかんだ野中は「1回は抜けるようなパンチが入った。ラウンド終盤で決めることはできなかったが、ペースをつかむことができた。相手のボクシングに付き合わなかったのが勝因です。相手のパワーは殺したと思っている。伝説が作れたし、世界戦をやりたい」と語った。
敗れた細川は野中の控え室を訪れ「アウトボクシングがうまいのでびっくりした。ゼロからがんばります」と野中と握手を交わした。野中は33勝10KO10敗3分、細川は11勝10KO4敗となった。
◇S・フライ級8回戦
那須亮祐(グリーンツダ)[2-1(77-74、77-76、76-78)]寺田達弥(ロマンサジャパン)