WBC世界ヘビー級王者デオンタイ・ワイルダー(米)がドミニク・ブラジール(米)と9度目の防衛戦を行うことになった。試合は5月18日、ニューヨークのバークレイズセンターでゴングが鳴る。19日(日本時間20日)同会場でプレゼンテーションが開催された。
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ワイルダー(左)はV9戦、これまで通りSHOWTIMEが中継
ワイルダーは昨年12月、元ヘビー級統一王者タイソン・ヒューリー(英)と激闘を展開し、ヒューリーとのダイレクトリマッチが待望された。しかし先月ヒューリーは米国のトップランク&ESPNと大型契約契約を交わし、ワイルダーとの再戦は見送りになった。
そこへ3冠統一王者アンソニー・ジョシュア(英)を擁するエディ・ハーン・プロモーター(マッチルーム・スポーツ)がアプローチ。ワイルダー側にストリーミング配信サービスDAZNとの契約、移籍を迫った。
先週DAZNのトップ、ジョン・スキッパー会長を交え、ワイルダー側のシェリー・フィンケル・マネジャー、アル・ヘイモン代理人がニューヨークで折衝。当初交渉はスムーズに運ぶかに思えたが、結局、決裂したことが判明した。
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ヒューリーと再戦、ジョシュアとの統一戦が期待されるが…
米国メディアによると、ワイルダー側はDAZNの提示した3試合で1億ドル(約110億円)のオファーを拒否したという。その内訳はドミニク戦が2000万ドル、ジョシュア戦が4000万ドル、勝敗にかかわらず再戦で4000万ドルだったという。
ワイルダーはこれまで通り、PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)+ショータイムとの契約を更新するかたちになった。これでヘビー級は3強がそれぞれ別のプロモーター+プラットフォーム(中継媒体)に分散する構図になった。ニューヨークのプレゼンでのコメントは以下の通り。
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ブラジールはジョシュア戦以来となる世界挑戦
ワイルダー「私と対戦したいずれの男もキャンバスに転がった。5月18日も私はそれを継続する。デオンタイ・ワイルダーを負かしてリングから降りられる者はいない。私はヘビー級のキーを握っている。私ができることを実行できる選手はいない。今回、ファンがこれまで見たことがなかったことを彼らに披露したいと思っている」
ブラジール「バークレイズセンターで私は3度KO勝ちを収めているから試合が待ちきれない。バージル・ハンターとコンビを組み多くのことを学習している。試合にプレッシャーとアクションを持ち込みたい。この男がベルトを持っているとムカついてしょうがない。彼が倒れてファンが腰を浮かすシーンを提供する」
ブラジールの発言にあるように16年のジョシュア戦(7回TKO負け)に続く世界アタックとなる挑戦者はアンドレ・ウォードなどを指導したベテラン、ハンター・トレーナーに師事しワイルダーに挑む。Photos from Amanda Westcott/SHOWTIME