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8日後楽園ホールのセミファイナルで行われたフライ級8回戦は、富岡浩介(RE:BOOT)が日本フライ級12位、WBOアジアパシフィック同級9位の苗村修悟(なむら・しゅうご、SRS)から4回と7回に1度ずつダウンを奪い、7回1分7秒KO勝ち。ランク入りを決定づけた。
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7勝6KO(4敗)のサウスポー富岡。8勝8KO(2敗)の苗村。強打者同士の対戦は、スイング系で迫る苗村を、富岡がいなしてかわしてカウンターを狙う展開。右腕を大きく前方に構えて懐の深さと距離の遠さを演出した富岡が、苗村の強引さを引きずり出すことに成功。巧みにクリンチを使い、左をヒットしていき主導権を得た。
4回、富岡がいきなり鋭く踏み込んで左オーバーハンドをヒットすると苗村は後退。ショート連打を見舞った富岡が、狙いすました左をクリーンヒットしてダウンを奪うと、続く5回、逆転の一打を狙う苗村に臆せず、攻撃力を強める。苗村の左フックもクリーンヒットしてスリリングな雰囲気を醸し出すが、ダメージを負っている苗村が、イニシアチブを取り返すのは難しい様相だった。
7回、中途半端な追い足を見せた苗村に、富岡が左ストレートを一閃。ふたたびキャンバスに落ちた苗村は、鼻血を流しながら立ち上がったものの、レフェリーがテンカウントを数え上げた。
同じリングで行われた51.8kg契約8回戦は、日本フライ級5位の井上夕雅(いのうえ・ゆうが、真正)が元日本ランカーの渡邉秀行(DANGAN郡山)から最終回にダウンを奪い、76—75、79—72、79—72の3—0判定勝利。4月の日本王座挑戦失敗からの復帰を果たした。
左右に位置取りを小刻みに変えていくサウスポーの渡邉は、のらりくらりと相手を翻弄する術に長ける、戦績(8勝6KO15敗4分)以上の巧者。井上もラウンドを終える度に再三再四、首を傾げながらコーナーへと戻っていったが、決して心を乱さず、ボクシングのバランスも荒れなかった。敗戦を糧に進化した証だった。
無理に渡邉との距離を詰めていかず、適切な間合いをキープして右カウンター。かと思えば、渡邉の意表を突くタイミングで踏み込んで右ストレート。前後のステップでリズムをつかんで左をヒットし、渡邉の右目上をカットさせた。
左ボディーアッパーから右フック。その逆パターンと、渡邉も緩急やタイミングを変えて手を出すが、防御意識もしっかりと持つ井上は、渡邉の変化にも冷静に対処。7回にタイミングをずらした右で渡邉をグラつかせると8回、サウスポーにスイッチして渡邉を戸惑わせ、右ストレートから左フックを突き刺してダウンを奪い、勝利をしっかりと掌中にした。16勝3KO4敗1分。
◆52.8kg契約6回戦
目黒聖也(DANGAN郡山)[引き分け(57—57、57—57、57—57)]井上稜介(ONE・TWOスポーツ)
◆48.0kg契約女子6回戦
前原香那枝(三迫)[判定3—0(58—56、58—56、58—56)]長井香織(真正)
◆S・フェザー級4回戦
日向和輝(ワタナベ)[判定3—0(39—37、40—36、40—36)]橋口芳樹(輪島功一スポーツ)